京都では今ちょうど各地で紅葉の見頃を迎えた所で沢山の人で溢れていますが、そんな混雑のピークを迎える少し前の週末に、遠方から友人が訪ねてきたので、観光がてら祇園付近を案内してきました。
その時にふらっと立ち寄った老舗の京寿司店「千登利亭」で食べた鯖寿司などの京都スタイルの寿司が美味しかったので、今回はその時の様子を書いてみようと思います。
入店
祇園の定番スポット八坂神社、巽橋、花見小路などを友人に案内した後、そろそろどこかで昼食を取ろうかと見回したところ、何やら老舗の貫禄が漂う店構えの京寿司店があったので入ってみる事にしました。
寿司といえば一般的に江戸前寿司を思い浮かべると思いますが、京寿司は江戸前寿司と違い、少し甘めの酢飯を使い、具材は生ものをほとんど使用せず、手間を掛けて調理・味付けをして仕込んだ具材を乗せるといった独特のスタイルがあります。
店頭のショーケースに並べられたメニューの食品サンプルを見ても、江戸前寿司のメインとなる握り寿司はほとんどなく、巻き寿司、箱寿司、蒸し寿司、ちらし寿司、鯖寿司、稲荷寿司といったものが占めています。
もちろん、京都市内の寿司店が全て京都スタイルという訳ではなく、むしろ江戸前寿司のお店の方が多いと思いますが、京都ならではのスタイルを守り続ける老舗の味を一度味わってみるのも良いかなと思いました。
店先にあったメニュー表を見てみると、これらの種類の寿司がちょっとずつ色々付いてくるセットメニューがあり、その中の「若狭」という京寿司セットにちょっと惹かれました。
注文したい品が何となく決まった所で、店内に入ります。
店内はこじんまりとした普通の街の寿司屋という感じですが、綺麗な店内で安心感があります。
すぐ近くにある、建仁寺という大きなお寺御用達のお店らしく、かなりの老舗と見受けられます。
お店の方に聞いてみると、何と明治32年創業との事なので、創業から120年以上経っている事になります。何気なく入ったお店が100年以上続く老舗だったりする事は京都あるあるですが、やはりこれだけ続くのはすごい事だと思います。
店先にあったメニュー以外にも、様々な種類の寿司があり、どれも美味しそうです。
冬限定の蒸し寿司がちょっと気になりますが、まだ扱ってない様でした。
食事(京寿司セット 若狭)
結局、今回は店先のメニューで気になっていた京寿司セット「若狭」を注文しました。
このセットは、鯖寿司、活鱧箱寿司、京ちらし、巻寿司、吸い物が付いており、様々な種類の京寿司が味わえます。
見た目も綺麗でいかにも京都という感じが出ており、観光客に受けそうなビジュアルです。
一番目を引くのは、この分厚い鯖が乗った鯖寿司です。2切れ乗っていますが、もう片方は鯖のしっぽの方なのか身が薄めで、こちらは至って普通の見た目です。
食べてみると、脂の乗った鯖と、その絶妙なしめ具合、それにほんのり甘めの酢飯が作りだすこの鯖寿司は絶品です。
古来から福井の若狭湾で捕れた鯖が鯖街道と呼ばれる道を通って京都に輸送される物流ルートが確立されていたので、長い歴史の中で鯖の調理方が熟成されていった結果だと思うと感慨深いものがあります。
巻き寿司やハモの箱寿司の方も美味しいですが、京都らしく上品な彩りで目も楽しませてくれます。
錦糸玉子のたっぷり掛かったちらし寿司も美味しかったです。具材の味付けが、少し甘めの酢の効いた酢飯によく合っています。
吸い物はあっさりですが、しっかりと出汁が効いているので、寿司を食べる合間に口に含むと、出汁の香りが口の中に広がります。
これだけ色々な種類の京寿司をじっくり堪能できるので、このセットを注文して正解でした。どれも美味しかったので綺麗に完食できました。
ふと湯飲みを見てみると、寿司屋によくある魚へんの漢字が並んだ湯飲みだと思ったのですが、ちょっと違和感を感じました。
よく見てみると、当用漢字ならぬ「盗用漢字」と銘打った数々の魚へんの漢字が並べられていました。当用漢字のものとは異なる、シャレで勝手に作った漢字と思われますが、こういうちょっとした遊び心も京都っぽくていいなあと思います。
お腹が満たされたところで、すぐ近くにあった建仁寺に立ち寄る事にしました。
このお寺は京都最古の禅寺で、臨済宗建仁寺派の大本山でもあるので、超由緒あるお寺です。
この後も友人を連れて何か所か京都の名所を案内した後、先斗町の飲み屋で締めくくり、久々に定番の京都を満喫した一日となりました。
まとめ
今回は、鯖寿司の美味しい老舗の京寿司店「千登利亭」を訪れました。
江戸前寿司と違う京都ならではのスタイルの寿司を堪能できて、京都を感じる食事を楽しみたい場合におすすめのお店だと思いました。
祇園エリアにありながらも気軽に入りやすい雰囲気と価格のお店なので、この付近を観光する方は是非ランチの候補に加えてみてはどうでしょうか。
住所 | 〒605-0806 京都府京都市東山区団栗通り大和大路西入る井手六軒町203 |
電話番号 | 075-561-1907 |
営業時間 | 11:00~17:00 定休日:木曜日(その他不定休日あり) |
最寄り駅 | 京阪 祇園四条駅1番出口から徒歩約5分 阪急 河原町駅から徒歩約7分 |
最寄りIC | 名神高速道路 京都東ICから車で約20分 または 京都南ICから車で約23分 |
駐車場 | なし(近隣にコインパーキングあり) |
公式ホームページ | https://chidoritei.jp/ |
公式SNSアカウント | (Instagram)https://www.instagram.com/chidoritei_kyoto/ |
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