先日、今年の夏に高級魚のクエを食べに行く鉄道旅をしてきたという事を書きましたが、その帰り道に三重県亀山市の関という駅に途中下車しました。
関駅周辺は旧東海道の宿場町「関宿」のあった場所で、付近に古い町並みが保存されています。
この鉄道駅は道の駅関宿とも隣接していますが、実はその道の駅の方はこれまでバイクで三重方面に行く途中に何度か訪れた事がありました。
ただ、いずれも休憩してすぐ去るのみだったため、まだこの周辺を散策した事がありません。
今回途中下車した目的は、宿場町の古い町並みに興味があったという事もありますが、それ以上にこの近くにある「びっくりや」という焼肉店に興味津々だったからです。
以前から、国道1号沿いにあるこのお店の前をバイクで通る度に、そのインパクトのある店名と佇まいがずっと気になっていました。
よくよく調べてみると、このお店は個性的な4兄弟が切り盛りする名物店との事で、東海ローカルのテレビ番組でよくネタにされているそうです。やっぱりタダモノではないお店の様です。
そういう訳で、今回は関宿に残る古い町並みの散策と、びっくりやで食事をした様子を書いてみようと思います。
関宿の古い町並み散策
前の日に宿泊した三重県尾鷲市の宿から滋賀の自宅に帰る途中、JR関西本線の関駅で途中下車しました。
田園風景の広がるローカル線の駅といった雰囲気ですが、駅員さんのいるれっきとした有人駅です。
この駅のある区間はディーゼル車両が走る非電化区間のため、電車用の架線が無い事も景色を一層のどかなものにしています。
今回は青春18きっぷを利用していたので、駅の改札でこれを提示して途中下車させてもらいました。
ちなみに、乗車した賀田駅が無人駅だったので、列車内の車掌さんに乗車印を押してもらっています。
駅を出ると、関宿の観光案内図がありました。
とりあえず、道を渡ってまっすぐ進んで行けば、昔の宿場町の町並みが残る場所に行く事ができそうです。
早速歩道橋で道を渡ってしばらく歩いて行くと、レトロな町並みが広がる通りに出ました。
昔の宿場町や城下町の町並みが残ると謳われている場所に行っても、ごく限られた一画のみだったり、現代の建築物に混ざってちらほら古い建物が残る程度だったりして、がっかりする事も多いのですが、ここは違いました。
1.8kmもの長い距離に渡って約200件ほど残されている古い町並みは、行けども行けども途切れる事がなく、昔の時代にタイムスリップしたかの様な感覚になれます。
実は、この古い町並みはさらっと散策して、早々にもう一つの目的地としていた焼肉店に行こうと思っていたのですが、結局かなり時間をかけてじっくりと見学し、レトロな雰囲気にどっぷり浸かってしまいました。
途中、休憩所やトイレもあり、観光地としてもよく整備されていました。
休憩所に関宿の町並み全体を示すイラストマップが掲載されていました。今回はマップの中央付近から入って左の方、西に向かって歩いています。
今回はこのマップの右半分の散策をしませんでしたが、全体を見て回ったら1日楽しめそうな規模です。
更に西の方へ歩いて行くと観光客も徐々に少なくなり、レトロな町並みへの没入感が増してきます。
町並みの西の端にある西の追分という休憩施設まで来ました。
ここは土間と座敷のある昔ながらの民家といった雰囲気で、一見すると全体が展示物にも見えるのですが、座敷に上がって休憩する事もできます。
この休憩所でしばらく寛いだ後、一旦町並みの散策は一区切りして、もう一つのお目当ての焼肉店へ行ってみる事にしました。
びっくりや(焼肉店)
先ほどの休憩所から歩いてすぐの所に、目的のお店「びっくりや」がありました。
看板を見ただけでも、先ほどの町並みとはまた違った種類のレトロ感(廃墟感?)が伝わり、期待が高まります。
お店の前には広大な駐車場があり、大型のトラックも余裕で停める事ができるため、トラックドライバーの間でも人気のお店の様です。
今回は見かけませんでしたが、ライダーにも人気があるらしく、以前このお店の前を通った時は、何度もマスツーリングと思われるバイク集団が停まっているのを目撃しました。
駐車場が舗装されてないため、バイクの場合はちょっと気を付ける必要がありますが、とにかく広いため、停める場所には困りません。
広大な駐車場を更に進むと、デカデカと「びっくりや」と書かれたお店の建物が近づいてきました。
下に小さく「焼肉」と書かれていますが、遠巻きにはこの文字が見えず、「びっくりや」という文字しか見えなかったため、最初この建物を見た時は何のお店だろうと気になった記憶があります。
お店の入口の前まで来ました。お昼のピーク時間を過ぎていたためか、それほど店内は混んでいない様でした。
ここまで来ると肉の焼けるいいにおいが漂ってきます。それと同時にレトロなにおいもプンプンしてくるため、益々期待が高まった状態でお店の中に入ります。
店内は座敷の席と椅子の席があるのですが、今回は座敷の方を案内され、席に着きます。
メニューは各席には置いておらず、店内に掲示しているものを見るしかないため、きょろきょろと見回しながら食べたいものを探しました。
注文は紙に書いて店員さんに渡す様言われたので、しばらく悩んだ末、牛カルビ、牛ホルモン、うどん玉、それと瓶ビールと紙に書いて店員さんに渡しました。
バイクで来るとお酒は飲めませんが、鉄道の旅だと飲めるのがうれしいです。
席の鉄板に火が入れられ、しばらく待つと店員さんがやってきてキャベツを焼き始めました。お肉類を注文するともれなくキャベツもついてくる様です。
ちなみに、このお店は店員さんが焼いてくれるスタイルで、各客席を巡回して様子を見つつタイミングを見計らって焼いてくれます。
キャベツに火が通ると、タレで味付けされた牛カルビと牛ホルモンが投入され、キャベツと一緒に焼かれます。
焼いてくれたのは、店を切り盛りする4兄弟のいずれかの方ですが、顔と名前を知らなかったため、どなたなのかはわかりませんでした。発する言葉は最小限で、口より手を動かす感じの方でした。
先ほども少し触れた通り、この4兄弟とお店は東海ローカルのテレビ番組で面白おかしく取り上げられ、なんとグッズまで売り出してしまうほど有名になっているらしいです。
ちょっと変わった焼肉のスタイルに軽く衝撃を受けながら、店員さんが焼く姿をしばらく眺めていると、もうそろそろ食べ頃という事なので、早速食べてみる事にします。
既に少し味付けされていますが、別途タレの入った小皿も出されているため、これにつけて食べてみました。
これは期待した以上においしいです。特にカルビがおいしく、味噌が効いたタレと絶妙に合います。このタレがよく絡まった脇役のキャベツもまた良い仕事をしており、この組み合わせは最高です。
当然の事ながら、ビールがどんどん進みますが、バイクや車で来てビールが飲めない場合も、白飯が止まらなくなりそうなしっかり目の味です。
スタミナ補給が欠かせないトラックドライバーにも支持されている理由が何となくわかります。
しばらく食べ進めると先ほどとは別の店員さんが来てくれて、うどんは?とだけ一言で聞かれたので、そろそろうどんの投入タイミングと解釈し、お願いしますと答えました。
すると、店員さんが味噌ダレのかかったうどん玉を持って来て、鉄板に残っている肉とキャベツと一緒に焼いてくれます。
うどんも全体が味噌ダレの色に染まってきて、ますます食欲がそそられる絵になってきました。
このお店のある亀山のご当地B級グルメに、みそ焼きうどんというものがあるらしく、これがまさにその状態だと思いました。
味噌ダレと肉汁がたっぷり絡まったうどんは、本当においしかったです。
うどんも食べ終え、お腹も大満足したので、お会計を済ませてお店を出ます。
今回は合計で大体2,200円ぐらいでした。びっくりする程の安さではないですが、お肉のクオリティは間違いなかったため、良心的なお値段だと思います。
普通の焼肉店とは一味違うスタイルの焼肉を十分堪能し、来店して良かったと大満足しながら、今度は関駅の方まで戻り、道の駅でお土産を買う事にします。
住所 | 〒519-1111 三重県亀山市関町新所1462 |
電話番号 | 0595-96-0278 |
営業時間 | 火~土曜日 10:00~22:00、日曜日 10:00~21:00 定休日 月曜日 |
最寄り駅 | JR関駅(徒歩約20分) |
最寄りIC | 名阪国道 関IC、東名阪自動車道 亀山IC |
公式ホームページ | ― |
道の駅 関宿・関駅
びっくりやを出て道の駅関宿まで歩いて行くにはそのまま国道1号沿いに歩くのが最短距離ですが、それだとちょっと味気ないので、先ほど歩いてきた古い町並みを途中まで戻るルートで歩き、再び町並みを楽しみながら向かう事にしました。
下の写真では駐車場の看板が見えますが、びっくりやの近くで町並みの西の端にあたる場所に無料の観光駐車場があり、車やバイクで来ても困らなそうです。
再び古い町並みを通り、途中で外れて南の方に歩いて行くと、もう何度も訪れて見慣れている「道の駅 関宿」が見えてきました。
ここに来た目的は、前の日に宿泊した宿でいただいた、三重県内の指定のお店で利用できる地域クーポンを使ってお土産でも購入しようと思ったためです。
道の駅のお土産売り場をざっと見て回ってみると、先ほども少し紹介した亀山のB級グルメ「みそ焼きうどん」の味噌ダレが売っていました。
先ほどびっくりやの鉄板の上で焼かれたうどんの味が忘れられず、自宅でもチャレンジしようと購入してしまいました。
また、それと似た様なものになりますが、ここで売られていたトンテキのタレも気になりました。
三重県のB級グルメとして四日市を中心にトンテキが有名ですが、以前鈴鹿にあるお店で食べたトンテキがとてもおいしかった事を覚えていたため、思わず購入してしまいました。
一通りお土産を買い終え、再び帰りの列車に乗るため、すぐ隣にある関駅まで歩いてきました。
乗車する列車が到着する予定の向こう側のホームに行くため跨線橋を渡る途中、先ほど散策した古い町並みのある方とは反対側を見渡してみると、ひまわり畑が広がっていました。
後で調べてみると、関宿はひまわりの鑑賞スポットでもあるようです。
まだまだ関宿は見どころが多そうですが、今回はこの辺にして帰りの列車に乗り込みました。
ここから更に何回か列車を乗換えて自宅の最寄り駅まで到着し、ようやく長時間に渡る鉄道の旅を終えました。
まとめ
今回は以前バイクでは訪れた事があるものの、一度も散策した事のなかった三重県亀山市にある関宿の町歩きをしてみました。
古い町並みは思った以上に見ごたえがあり、レトロ好きであればどっぷりと雰囲気に浸れると思います。
まだ各地の古い町並みをくまなく歩いた訳ではありませんが、現時点の超個人的なランキングを作るとすればトップは文句なしに飛騨高山だと思いますが、その次あたりにこの関宿がランクインしそうな勢いです。
また、ずっと気になっていながらも、ようやく今回訪問できた焼肉店のびっくりやについても、期待を裏切らない味とお店の雰囲気で大満足でした。
何気なく途中下車した関駅にある関宿の町でしたが、前日に食べた高級魚の事を忘れてしまいそうなほど濃密なひと時を過ごす事ができました。
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