日本一の桜 吉野山千本桜を見に行く旅

吉野山 千本桜 旅・ツーリング
吉野山 千本桜

4月最初の週末、天気が良いうえに様々な所で桜が満開を迎えていました。これはもうバイクに乗ってお花見ツーリングをしなさいと言われている様なものですが、数ある桜の名所のうちどこへ行くか決めかねていました。

しばらく悩んでいると、以前からいつかは訪れてみたいと憧れていた奈良県吉野山の千本桜の事を思い出しました。

関東に住んでいた頃は、相当距離があるため交通費や宿の確保でお金や時間がそこそこ掛かり、直前までわからない見頃の時期に日程を合わせるのも難しかったので、なかなか訪問に踏み切れませんでした。

しかし、今は奈良県のお隣滋賀県に住んでいるため十分日帰りで行って来る事ができます。そう考えるともう目的地は決まった様なもので、今回はこの吉野山千本桜をバイクで訪れる事にしました。

駐車場~中千本公園(シャトルバス停留所)

まだ薄暗い早朝のうちからバイクで自宅を出発し、少し肌寒い中を走りつつ奈良県の吉野山を目指します。

実は吉野山に行く事自体は初めてではなく、以前このブログでも紹介した吉野の山奥にあるラーメン店を訪れた時に続き2回目になります。ただ、桜の見頃を迎えた時期に訪れるのは今回が初めてです。

下道で約2時間半ほど掛けて吉野山に近づくと、だんだんと同じ方向に向かう車が増えてきました。

この日は桜のシーズンのため交通規制が行われており、基本的にマイカーで訪れた場合は臨時駐車場(有料)に停め、そこから無料のシャトルバスで現地まで移動する事になります。

臨時駐車場もいくつかあるのですが、今回は車の流れに身を任せていると「A駐車場」という所に辿り着きました。普段は製材所の敷地らしく、隅の方に巨大な丸太が積まれています。

舗装はされておらず、地面が土なので気になる方はスタンドがめり込まない様、スタンドプレートを持参した方が良いかもしれません。私のバイク400Xは無くても大丈夫でした。

バイクを停めると、係員の方が駐車料を徴収しに来るので代金を支払います。バイクの場合は500円、車の場合は2,000円でした。(2023年4月時点)

この時点でAM8:30頃でしたが、シャトルバス乗り場にはすでに行列ができており、その最後尾に並んでしばらく待っているとバスが到着しました。何とか定員オーバーにならずこのバスに乗る事ができました。

A駐車場(臨時駐車場)

途中、第1駐車場という別の臨時駐車場を経由し、約15分ほどで中千本のバス停に到着しました。

吉野山の千本桜は下から下千本、中千本、上千本、奥千本とエリア分けされており、今回バスが到着したのはそれらの真ん中あたりに位置する中千本というエリアになります。

例年だと標高の低い下から順番に時間差で満開時期を迎えていくそうですが、昨年に引き続き今年は下千本、中千本、上千本の3エリアでほぼ同時に満開を迎えるという恵まれた年の様です。

これからどういうルートで散策しようか悩みましたが、一旦奥千本まで登ってその後下千本まで下ろうという具合にざっくりプランを立てます。

中千本のバス停を降りると、階段を登って行く人の列が見えました。ひとまずその列についていく事にしました。

階段を登りきると、吉野山千本桜の一番上に位置する奥千本まで行くバス(有料)の乗り場がありました。しかし、よく見てみると、ずっと先の方までバスを待つ人の長蛇の列が出来ており、さらに乗車券売り場には80分待ちという驚くべき掲示がありました。

とても待つ気にはなれなかったので、バスでの移動をあきらめて自らの足で奥千本まで歩く覚悟を決めました。

中千本 シャトルバス停留所付近

中千本~上千本~奥千本(上り)

吉野山観光案内マップ

歩いて行くと決めたものの、付近にあった案内板を見てみると奥千本まではだいぶ距離がありそうです。

悩んでいてもしょうがないので、途中でキツくなったらすぐ引き返すぐらいの割り切った気持ちで奥千本まで歩き始める事にしました。

緩めの上り坂になりますが、満開の桜を見ながら歩くので全く苦になりませんでした。

花夢亭付近

燃えるように咲く無数の桜に囲まれながら歩くのは最高です。

上千本御幸の芝展望台付近

道路脇の桜の隙間から時々覗く向こう側の景色も桜でいっぱいです。

上千本まで来ると、見晴らしの良いポイントがちらほらと現れ、ついつい足を止めて見入ってしまいます。

上千本の眺め

さくら咲競プロジェクトと書かれた看板の先に小路があり、ちょっと気になったので入ってみると、山の斜面に丸太が置かれており、それをベンチ代わりに座って景色を眺めながらお弁当などを食べている人達が沢山見えました。

吉野上千本展望台付近

私も丸太に腰かけて他の人達と同じように景色を見渡してみると、一面桜色に染まる絶景が広がっていました。

こんな所でお弁当を食べたら絶対に美味しいだろうと思いつつ、お弁当を持参しなかった事をちょっと悔やみました。

吉野上千本展望台付近からの眺め

しばらく景色を楽しんだ後、再び奥千本の方を目指して歩き始めます。少し行くと花矢倉展望台という所があり、こちらも気になったので行ってみる事にしました。

眺めの良いお座敷で食事も楽しめる様なのでちょっと惹かれましたが、まだ昼食には早い時間だったので、ひとまず食事の事は奥千本まで行ってからまた考える事にしました。

花矢倉展望台

この展望台からの景色もすばらしく、何か所かに分かれた桜の密集地帯を一度に見渡せます。

花矢倉展望台からの眺め

花矢倉展望台を後にしてしばらく歩くと赤い鳥居が現れました。

ここは吉野水分神社(よしのみくりまじんじゃ)といって世界遺産に登録されているそうです。

天水分大神(あめのみくまりのおおかみ)を主祭神としてほか6柱の神を祀っており、子授け・安産・子どもの守護神として信仰されている神社の様です。

見るからに歴史を感じる建物と桜が良く似合います。

吉野水分神社

吉野水分神社のあたりになると上り坂がだんだんキツくなってきます。それでも頑張って進んで行くと、高城山展望台への案内板を見つけました。

展望台と書かれているとどうしても景色を期待して行ってみたくなりますが、今回も例に漏れず行く事にしました。ただ、途中の道の傾斜がさらにキツくなり、展望台に到着した時はヘトヘトになっていました。

高城山展望台

そんな苦労して登った展望台でしたが、このあたりはまだ開花が進んでおらず、桜の景色はお預け状態でした。上千本までは満開の桜が見られましたが、奥千本に近いこのあたりは見頃になるまでもう少し時間が掛かりそうです。

高城山展望台からの眺め

軽くがっかりしながらも、展望台のベンチで休憩しながらこのまま先に進むか戻るかを考えます。

駐車場で頂いた観光地図を見てみると、もう少し先に進んだ所に金峯神社というスポットがあり、その近くに中千本行きのケーブルバス乗り場がある事がわかりました。

ケーブルバスというのはここに来る時に乗車待ちの長蛇の列を見て利用を断念したバスの事ですが、逆方向の便なら比較的空いているかもしれません。

ここまで上って来るのに相当体力を使って疲れていたので、下りは楽をして中千本までバスで一気に戻る事にしました。

ということで、もうひと踏ん張りしてバス停の近くにある金峯神社を目指します。

高城山展望台

かなりキツい上り坂を何とか上って行くと、鳥居が見えてきました。ここからさらにキツめの坂を気力を振り絞って上って行くと、やがて金峯神社の境内にたどり着きました。

奥千本 金峯神社付近

ここまで来るとだいぶ観光客は少なくなるのですが、御朱印を求める人達でここにも長蛇の列ができていました。私もこの日は御朱帳を持参していたのですが、こんな状況だったので今回は断念しました。

金峯神社を後にして、すぐに乗車できる事を祈りながら近くにあるバス亭に行くと、ちょうどバスが停まっており、祈りが通じたのか乗車待ちの行列もできていませんでした。やはり逆方向の中千本行きは空いている様です。

早速近くのチケット売り場で乗車券を400円(2023年4月時点)で購入し、バスに乗り込みました。

金峯神社・ケーブルバス停留所

中千本~下千本~駐車場(下り)

バスは景色の見えない杉林が続くルートを通り、一気に中千本まで下って行きます。中千本の降車場でバスを降りると、相変わらず奥千本行きの乗車待ち行列ができていたため再び驚きます。待ち時間は40分程度と掲示されていたので、私が乗ろうとした時よりは若干マシになってはいる様です。

行列を横目にしながら歩いて行き、階段を下りて再びシャトルバスの中千本バス停の所まで戻ってきました。

先ほどはここから上千本の方へ上っていったのですが、今度は下千本の方へ下っていきます。

中千本 シャトルバス停留所付近

つい先ほどまで桜の見頃を迎えていない奥千本のあたりを、キツめの上り坂と格闘しながら歩いていたのが嘘の様に、今度は満開の桜を眺めながら下り坂がメインの道を楽々と進む事ができます。

中千本からの眺め

ふと時計に目をやると既に正午近くになっている事がわかり、急に空腹感が襲ってきました。

奥千本まで歩いて登った疲れのためか、お店を選ぶのも億劫になっており、仮に良さそうなお店を見つけたとしてもどこも混雑している可能性が高いと感じたので、最初目についたお店で食事をする事にしました。

そう考えながらしばらく歩くと、1軒のお食事処が目に飛び込んできました。「ほととぎす」という名前の様で、お店の中を覗いてみると、まだそれほど混雑していない様です。

お食事のメニューは「お花見弁当」というオーソドックスなお弁当1種類のみの様ですが、お値段も比較的リーズナブルだったので、ここに入る事にしました。

お食事処 ほととぎす

店先から覗いたとき、見晴らしの良さそうな席があったのも決め手になりました。景色が何倍にも料理を美味しく感じさせてくれる事を期待しつつ、眺めの良いテラス席に陣取る事にしました。

ただ、テラス席は日が照ってちょっと暑いかもしれないよと事前にお店の方に忠告されましたが、それほど長居をするつもりがないので問題ありません。

お花見弁当を注文した後、満開の桜の景色を眺めながらお茶を飲み、料理が出来上がるのを待ちます。

お食事処 ほととぎす

待っている間、風に乗って近くの桜の花びらが舞い落ちてテーブルの上を彩ってくれます。

しばらくすると料理が運ばれてきました。彩りもよく、テーブルの上に落ちた桜の花びらがさらにお花見気分を演出してくれます。

やはり思った通り絶景を見ながらの食事は格別です。先ほどの山登りの後でかなり空腹だったという事もありますが、とても美味しくいただきました。

お食事処 ほととぎす(お花見弁当)

お腹も満たされたので、心なしか体力も回復してきた様に感じます。この先は下り坂か平坦な道なので、気持ちも楽です。

道中の見事な桜やお店を覗きながらゆっくりと歩いて行きます。

勝手神社付近

途中、見事な門構えのお寺が気になったのでちょっと中を覗いてみる事にします。

ここは東南院というお寺らしく、本堂や多宝塔という塔もあり境内の建物も立派です。かつて松尾芭蕉もここを訪れた事があるそうです。

東南院

東南院を出て、様々なお店が並ぶ道をさらに進みます。

東南院・金峯山寺本堂(蔵王堂)付近

すると、「蔵王堂」と大きく書かれた石柱が立っているのが見え、沢山の人が中に入って行きます。

どんな所か気になるので、私も中に入ってみる事にします。

ここは金峯山寺という所らしく、大きな本堂があるのですが、これが蔵王堂と呼ばれている様です。先ほど訪れた奥千本にも「金峯」と名の付く場所がありましたが、そちらは神社で、こちらはお寺でした。

金峯山寺本堂(蔵王堂)

この蔵王堂付近からは桜が密集する部分が比較的良く見渡せる場所もあるので、千本桜を見に来たという実感がより高まる気がします。

下千本からの眺め

桜が密集している部分をズームしてみると、まるで絨毯の様に広がる桜が本当に素晴らしいです。

下千本からの眺め

蔵王堂を出てしばらく歩いていると、魚の焼けるいい匂いが漂ってきたので、その方向を見てみると美味しそうな鮎の塩焼きを1本600円(2023年4月の価格)で売っていました。

先ほど昼食を取ったばかりですが、ついつい香ばしい匂いに負けてしまい、1本買ってしまいました。

奥に飲食スペースがあるので、そちらに腰かけて早速鮎にかぶりつきます。

鮎の塩焼き(和み処 みのり屋付近)

目の前の満開の桜を見ながら食べる鮎の塩焼きは絶品です。

美味しさのあまりあっという間に食べてしまい、しばらくそのまま桜を眺めながらぼんやりと過ごしました。

和み処 みのり屋付近からの景色

鮎の塩焼きを堪能した後、再び歩き始めてから間もなく赤い橋が見え、橋から見える桜を背景に記念撮影をしている人達が沢山いました。確かにここの桜も見事で、赤い橋に良く映えます。

すぐ近くに眺めの良さそうな休憩所があったので入ってみると満席の状態でした。座れませんでしたが眺めについては思った通り良かったです。

この付近からも桜の密集する景色を見る事ができます。

下千本、中千本、上千本、奥千本を一通り見て来た感想ですが、この下千本のエリアが最も桜を間近に感じる事のできるエリアだと感じました。

吉野山無料休憩所付近からの眺め

更に先に進むと、シャトルバスの発着する下千本駐車場の入口が見えてきました。

すぐにシャトルバスに乗って駐車場まで戻ろうかと一度思いましたが、そのすぐ向かいにある「葛 八十吉」と書かれた看板が掲げられた趣のあるお店が気になりました。中を覗いてみるとカフェの様な雰囲気で、ここも眺めが良さそうです。しかも空席があり、すぐに座れそうです。

看板にある通りこのお店は葛が名物の様で、吉野葛を使った葛きりが食べられる様です。

まだ昼の2時前で日没まで時間があるので、最後にここでまったりしてから帰る事にしました。

お店に入って葛きりのメニューを見ると、単品と抹茶がセットになったものがありましたが、せっかくなので抹茶がセットになった、「吉野天人 お抹茶付」というメニューを注文しました。

カウンター席が空いていたので、その席に座り注文の品が出てくるのを待ちます。ここから見える景色も素晴らしく、屋内で日差しも届かないため快適です。

八十吉 花山店

景色を見たり、スマホで帰りのルートを確認したりしながら割と時間が経った後、ようやく注文したものが運ばれてきました。

派手な見た目のスイーツとは異なり、どこか奥ゆかしいビジュアルなので、自然と食べ方も奥ゆかしくなります。

早速、吉野天人と名付けられた葛きりを別皿の黒蜜に付けて口に運びます。

葛きりの弾力のある歯ごたえと黒蜜のコクのある甘さが良く合います。口いっぱい黒蜜の甘さに満たされた所で、時々苦みのある抹茶をすすってリセットするといった感じの事を繰り返しながら、葛きりの食感と黒蜜の上品な甘さと抹茶の苦みを繰り返し楽しむ事ができました。

八十吉 花山店(吉野天人(葛きり) お抹茶付)

葛きりと景色を十分堪能し、もう思い残す事が無いので駐車場に戻る事にします。

このお店のすぐ向かいの下千本駐車場から発着するシャトルバスは、私がバイクを停めたA駐車場に直通の便が無く、第1駐車場という別の駐車場までしか行きません。

そのため、一旦第1駐車場まで行って、そこからA駐車場へ向かうシャトルバスに乗り換える必要があります。今更言ってもしょうがないですが、今回停めたA駐車場より第1駐車場に停めた方が良かった気がします。

シャトルバスを乗り継ぎA駐車場に到着したのは午後3時少し前でした。これから出発すれば、何とか暗くなる前に滋賀の自宅に到着できそうです。

積み上げられた丸太のそばに停めた愛車に跨り、再び2時間半ほど掛けて無事自宅にたどり着く事ができました。

下千本シャトルバス停留所・A駐車場

まとめ

今回は一生のうち一度は見てみたいと望んでいた吉野山の千本桜を、念願叶って訪れる事ができました。

特に今年は下千本、中千本、上千本がほぼ同時に満開を迎えるという幸運に恵まれ、見ごたえ十分のお花見をする事ができました。

今回は奥千本まで訪れましたが、お花見がメインであれば上千本まででも十分だと感じました。もっと限られた時間内でコンパクトに桜を楽しみたいという方は下千本から中千本あたりを散策するだけでも十分堪能できると思います。

なかなか競争率が高くて難しいかもしれませんが、今度は現地の宿を予約してゆっくり千本桜を楽しむ旅をしてみたいと思います。

住所〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山2430
電話番号0746-32-1007
営業時間観光協会:
営業日時:月・水・金 10:00~16:00
3月は毎日営業(土日祝日は除く)
4月は第3週まで休まず営業
アクセス(公共交通機関)最寄り駅:近鉄 吉野駅
アクセス(自家用車)南阪奈道路 葛城IC(車で約50分)、京奈和自動車道 木津IC(車で約90分)、名阪国道針IC(車で約60分)
など
※桜の開花シーズンは交通規制があり、臨時駐車場を開設(公式ホームページ参照)
公式ホームページhttps://yoshinoyama-kankou.com/
公式SNSアカウント(Facebook)https://www.facebook.com/Holy.place/
(Instagram)https://www.instagram.com/holy_yoshinoyama/
吉野山観光協会(2023年4月時点)
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