人里離れた山奥の飲食店といえば、古民家を利用したおしゃれなカフェや蕎麦屋をイメージするかもしれませんが、意外な事に千本桜で有名な奈良県吉野の山奥に人気のラーメン店があるという事を最近教えてもらいました。
しかも関西のバイク乗りの間ではわりと有名で、ライダーの聖地的なお店なのだとか。
ラーメン好きライダーの私としては、わざわざ山奥に行ってまで食べたくなるほどのラーメンとはどんなものか非常に興味をそそられます。
ただこのラーメン店、不定休もけっこうあるらしく、営業していると思っていざ現地に行ってみたらお休みだったという事もよくあるらしいので、運が良ければ食べられるぐらいの覚悟が必要な様です。
少し悩みましたが、これから本格的な冬が訪れて雪で道路が通行止めになったり、お店も冬季は休業するという情報もあるため、行くなら今しかないと思い、12月上旬の週末にツーリングがてら訪れてみる事にしました。
開店前・周辺散策
目的のお店「ラーメン河」は、週末になると午前中に売り切れてしまう事が多いらしいので、まだ周囲が真っ暗な早朝の時間帯に自宅を出発し、午前中のなるべく早い時間帯での到着を目指しました。
自宅を出てから凍える様な早朝の寒さの中、途中休憩を取りながら2時間以上バイクを走らせ、何とか目的地の近くまでたどり着いた頃にはすっかり明るくなっていました。
このあたりから吉野川沿の道に入って更に進んで行きますが、対向車が来たら車だとちょっと厳しいぐらいの狭い道幅が続くため、本当にこの先にお店があるのか少し不安になってしまいます。
しばらく進むと何やら青緑色の建物が見えてきました。建物の前に何台かバイクが停まっているので、どうやらここが目的のラーメン店の様です。
お店の前にバイクを停めて再びお店を眺めてみると、事前に知っていなければ、ここがラーメン店だと思う人は絶対いないだろうと思わせる佇まいでした。ただの民家だと思って通り過ぎてしまうかもしれません。
お店の向こう側まで行ってみると、まだ朝の8時台にもかかわらず、すでに数人ほどのお客が開店を待っていました。ちなみに開店時刻はAM10時なので、まだ開店までに1時間以上もあります。
週末は午前中に売り切れてしまうという話もありましたが、嘘ではなさそうです。
待っているお客がいるという事は、行ってみたらお店が休みだったという最悪の事態は避けられた様です。
お店の入り口の方に行ってみると、私の少し前に来たお客が何やら記帳していました。
どうやら、順番待ちのリストに記名された順に案内されるシステムの様です。
このリストは名前と人数を書くようになっており、早速自分の分も記名しておきました。
すでに5組程度、人数にすると十数人分ほどの記名がありましたが、がんばって早朝に出てきた甲斐があり、結構早い順番を獲得できたと思います。
この時点で外で待っている人は7、8人ぐらいだったので、ここに居ない人はどこで待っているのだろうと周囲を見てみると、自分の車の中で待っている人も居る様でした。
このお店はバイクで訪れる人が圧倒的に多かったのですが、車で訪れる人も少数派ながらいました。ただ、車を停められるスペースは数台分しかないため、すぐに埋まってしまいそうです。
順番待ちのリストが置かれた場所のすぐ近くに、ラーメン単品1,000円、ラーメンとまぐろ丼のセット1,500円(2022年12月時点)と書かれたメニューが貼り出されていますが、ほとんどの人がセットを注文するそうです。
現在はコロナ禍という事もあり、店内の席は利用できず、外に設けられたテントの席で食事をするスタイルになっているそうです。
合計10席ほどなので、私は二巡目ぐらいで席に着けそうです。
まだ開店まで1時間以上もあるので、周辺を散策してみる事にしました。
お店のすぐ近くに小さな神社があったので、参拝がてらちょっと行ってみる事にします。
華龍神社と書かれた看板があり、鳥居をくぐって中に入ると、葉がすっかり落ちて枝のみになった木々に囲まれており、本格的な冬の到来が近い事を思い起こさせてくれます。
今度は、すぐ近くを流れる吉野川の方に降りてみる事にしました。
朝方の吉野川と付近の山々の風景はとても綺麗で、ラーメンを食べに来た事を忘れてしまいそうになります。
開店後・食事
周囲の散策やスマホで何とか時間を潰し、ようやく開店時刻のAM10時がやってきました。
いつ呼ばれても良い様に、先ほどのお店の入り口付近まで戻って待つ事にします。
すると、順番待ちリストの最初の10人が案内され、その方達が食べ終わった後、予想通り次のタイミングで案内されました。
席に着く際に、お店の方にどうします?とだけ聞かれたので、オーダーの事だと思い、迷わずラーメンとまぐろ丼のセットを注文しました。
しばらく待っていると、注文した品が運ばれてきました。
吉野川の景色を眺めながら食べる事ができますが、道路側に面した席なので、順番待ちの他のお客が道路で立ち話をしたりウロウロしているため、若干落ち着かない気もします。
改めてラーメンとまぐろ丼を眺めてみると、色合いも良く見た目だけでも美味しそうです。
ラーメンは塩ベースのスープらしく、あっさりとしてそうです。
お店の方から冷めるのが早いよと言われていたので、冷めないうちに早速スープからいってみる事にします。
見た目通りあっさりしていますが、おぉーと声が出てしまいそうなぐらい何かの出汁の旨味がよく効いた美味しいスープでした。
次は麺をいってみます。中細のストレートな麺で、個人的にはほどよい硬さと感じました。スープもよく絡みます。
さらにチャーシューもいってみます。
チャーシューは分厚いのが2つ入っており、見た目はどちらかというと豚の角煮に近い感じです。
実際に食べてみると、やはり角煮の様にやわらかい食感で、塩ベースのスープを邪魔しない、あまりしつこくない絶妙な味付けです。
断面を見ても、そのぶ厚さが良くわかります。
よく見てみると、ゆずや白菜といった具が脇を固めていました。
この名脇役達も美味しいスープの味を作り出すのに一役買っているのかもしれません。
さて、今度はまぐろ丼をいってみます。
ラーメンのおまけの様な感覚でいたのですが、実際に食べてみると十分に主役を張れるほど美味しいです。
ぶつ切りにされたまぐろの漬けは脂が乗っており、白飯はしっかりと酢飯なので、寿司屋で出されてもおかしくないレベルだと感じました。
この主役級の2品が本当に美味しく、そのまま箸が止まる事なく一気に完食してしまいました。
いつもラーメンのスープは残す事が多いのですが、今回はあっさり目でとても美味しいスープだったため、きれいに飲み干してしまいました。
うわさ通り山奥に行ってでも食べたくなるラーメンです。まぐろ丼のクオリティも高く、大満足しました。
順番を待つお客がだんだん増えてきたので、食べ終わったら早々に食器を返却し、お代を支払いお店を出ます。
すっかりお腹も満たされたので、バイクに乗って吉野川の景色を楽しみながらゆっくりと山奥のラーメン店を後にしました。
まとめ
今回は奈良県吉野町の山奥にある人気のラーメン店「ラーメン河」を訪れました。
雪で山が閉ざされる前に何とか訪れる事ができて本当によかったです。
噂通り味は申し分なく、こんな山奥でこんな美味しいラーメンが食べられるという意外性が多くの人を惹きつけているのだと思います。
あと、お客の多くを占めるバイク乗りの年齢層が意外に幅広かった事も印象的で、20代と思われるお客もいれば60代と思われるお客もいて、改めてラーメンとバイクは世代を超えて楽しめる娯楽だと感じました。
住所 | 〒639-3446 奈良県吉野郡吉野町菜摘470 |
電話番号 | 0746-32-8384 |
営業時間 | 10:00~14:00 売り切れ次第終了(2022年12月時点で1日50食) 不定休あり |
アクセス(電車・バス) | 近鉄 大和上市駅で吉野町スマイルバスまたは川上村やまぶきバスに乗り換え、宮滝バス停で下車 徒歩約20分 |
アクセス(自動車) | 京奈和自動車道 五篠IC から約40分 |
公式SNSアカウント | (Facebook) https://www.facebook.com/ラーメン河-154546435413760/ |
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