関西は例年より早い5月の終わり頃に梅雨入りしてしまいましたが、6月最初の週末は貴重な晴れの日に恵まれました。こんな日はどこか近場でもいいのでツーリングしなければもったいないと思い、以前から気になっていた三重県の御在所岳(ございしょだけ)を訪れる事にしました。
御在所岳の山頂付近にはスキー場があり、スキーシーズン以外も登山やハイキング客等で賑わいます。さらに、この山頂付近と麓にある湯の山温泉はロープウェイで結ばれており、かなり観光地として開発されているスポットの様です。
今回は、湯の山温泉までバイクを走らせ、その後ロープウェイで御在所岳を登って山頂エリアを散策してみる事にしました。
出発~ロープウェイ湯の山温泉駅
朝9時少し前に自宅を出発しました。急ぐ旅ではないので下道を使い、途中茶畑や田植え直後の水田地帯、ダム湖など、滋賀県内の何気なく美しい景色を眺めながら三重方面に繋がる道、鈴鹿スカイラインを目指します。
鈴鹿スカイラインに入った後は、ひたすら曲がりくねった道を走り、山あいの景色に包まれながら先に進みます。鈴鹿スカイラインでは景色と走りに夢中になっていたため、残念ながら写真はありません…。
鈴鹿スカイラインを途中で外れ、湯の山温泉に続く道の入口まで来ました。ロープウェイの乗り場まで、あともう少しです。
程なくしてロープウェイ乗り場の駐車場に到着しました。料金は前払い制との事で、入口で駐車料金をを支払います。
駐車料金が二輪と普通乗用車が同一金額という点がちょっと腑に落ちない気もしますが、とりえあずバイクを停め、ロープウェイ乗り場に向かいます。
ロープウェイ上り
ロープウェイ乗り場付近は飲食店やお土産店などが並んでおり、観光地に来たという実感が湧いてきます。
特徴的なのは、アウトドア用品でお馴染みのモンベルのショップがある事です。
モンベルのショップは意外な所でお目に掛かる事が多いですが、御在所山は登山やロッククライミングのメッカになっているそうなので、そう考えるとそれほど意外では無いのかもしれません。
この時は周辺のショップに脇目も振らずロープウェイのチケット売り場に真っ直ぐ向かいました。
往復チケットを購入し、意外にもバーコード読み取りのシステム化された自動改札をくぐって中に入ります。
乗車を待つちょっとした行列ができていましたが、周囲の掲示物を眺めたりしながら待っていると、程なくして乗車タイミングがやってきました。
乗合なので、人数が少ない組は相乗りになります。今回は私の前に並んでいた2人組と1人のお客と同じゴンドラに相乗りする事になりました。
乗車後はみるみる地上を離れて行きます。眼下には、ここに来るまでに走ってきた鈴鹿スカイラインが見えます。遠くの方に目を転じてみると、うっすらと伊勢湾が見えました。
しばらくして気づいたのですが、ゴンドラの床の一部が小さな透明窓になっていて、直下の景色を見る事ができます。私は全く大丈夫でしたが、高所恐怖症の気がある人はあまりじっくりと見ない方が無難かもしれません。
高度が増してゆく度に周辺の山々を見渡す絶景が広がってきました。途中、山の尾根が切り落ちたキレットが見え、よく目を凝らしてみると、そこを登っている人たちが米粒大の大きさで確認できました。
ここ御在所岳はロープウェイで行ける気軽なイメージがあったのですが、自力での登山となるとなかなかの難易度なのかもしれません。
ゴンドラに10分強揺られ、山頂のロープウェイ駅(山上公園駅)に到着しました。
下車後、出口を出て建物の奥に進みます。
向こう側に売店やレストランが見えますが、すぐ左脇にも別のレストランへの入口らしきものがありました。左脇のお店はナチュレという展望レストランとの事なので、眺めが良さそうです。ここは後で寄ってみる事にして、先に展望台と案内されている階段の方に進んでみます。
ロープウェイ山上公園駅・朝陽台広場
展望台と案内された方の階段を登って行くと、一旦外に出て上りの階段が現れます。
更にこれを登って行くと、開けた場所に出ました。この辺一体の広場は、朝陽台広場というそうです。
ここに御在所岳山頂公園全体の案内図がありましたので、チェックしてみます。
今いる所からさらにリフトに乗って行った所(案内図の左の方)に御在所岳の頂上がある様です。これも後で行ってみようと思います。
ここ朝陽台広場には鳥居があったり石仏があったりするのですが、展望台という事もあって何といっても景色が最大の見所だと思います。
見晴らしの良い場所から眺めてみると、山々が連なる壮大な景色が広がっています。
一応この日は晴れていたのですが、雲が多めで遠くの街並みや伊勢湾の方は霞んでしまい、うっすらとしか見えなかったのがちょっと残念でした。
一通り展望台で景色を楽しんだ所で時計を見てみると、AM11時ぐらいになっていました。
この日は相当早い時間帯に朝食を取って来たので、そこそこお腹が空き始めていました。少し早いですが先ほど通り掛かった展望レストラン「ナチュール」に行ってみる事にします。
お店の前にはデッキがあり、ここからも壮大な景色が見渡せます。先ほどよりも雲が少なくなり、山の緑も鮮やかに見えます。
レストランの中に入ってみると券売機が設置されていました。どうやら食券制の様です。
カレーうどんとカレーラーメンで迷いましたが、うどんの方は「当店人気No.1」と書いてあったので、結局一番人気メニューに乗っかる形で「御在所カレーうどん」を注文する事にしました。
お店の方に食券を渡すと、フードコート等でよく見る、番号が書かれた呼び出しベルを渡されるので、好きな席に座って出来上がるのを待ちます。
この時はまだ早い時間帯だったせいか、人もまばらで席は選び放題でした。そのため、見晴らしの良い窓際の席に陣取る事ができました。
しばらくすると、呼び出しベルが鳴ったので、注文の品を取りに行きます。見た目は彩りも考えられており、観光地仕様のお洒落なカレーうどんといった感じです。
カレーうどんのカレーはシャバシャバしているタイプが多いですが、こちらのものはドロッとしたタイプでした。粉チーズが掛かっていたり、豚の角煮が入っているのも特徴的です。
うどんはやや柔らか目ですが、それゆえカレーが良く絡む感じになっており、味も美味しいです。
うどんを食べ終えた後に残ったカレーを眺め、小ライスを注文すべきだったと後悔しつつ、ここはぐっとガマンする事にしました。
観光リフト上り
お腹も満たされたので、今度は御在所岳の頂上まで行ってみる事にします。
ロープウェイ駅から山頂まではリフトに乗って行く事ができます。歩いても30分程度なので徒歩で行けない事も無いですが、スキーシーズン以外でリフトに乗った経験が無いので、どんな感じか気になるので乗ってみる事にしました。
再びここに戻って来なければならないので、往復のリフト乗車券を購入し、乗り場に向かいます。
乗り場には数人の先客が並んでいるのみだったので、すぐにリフトに乗れました。
スキーシーズン以外のグリーンシーズンにリフトに乗るのは始めてだったのですが、なかなか気持ちが良く、快適でした。
スキーシーズンのモノトーンな白銀世界とは違い、山々の緑が鮮やかな景色を眺めながらリフトに揺られていると、まさに空中散歩をしている様な気分になれます。
途中下車できる駅もあるのですが、そのまま終点まで進みます。
高度の高い眺めの良い区間もあれば、両脇の木々や地面が近い区間があったりして、乗っている間景色に飽きる事はありません。
そのまま景色に見とれていると、10分弱であっという間に頂上駅に到着しました。
御在所岳頂上付近・望湖台
御在所岳頂上のあるエリアも広場になっているので、ちょっと周囲を散策してみる事にします。
まずは頂上を示す標石の前に行ってみると、記念撮影の人だかりが出来ていました。
さらに周囲を見渡してみると、「望湖台」と書かれた道標がありました。湖を望むという意味なので、もしかしたら琵琶湖が見渡せるのかもしれないと思い、そちらの方を目指してみます。
上りの登山道の様な所を進んで行くと、見晴らしの良い岩場にたどり着きました。
ここからの眺めは素晴らしかったのですが、残念ながら期待していた琵琶湖は見えませんでした。後で調べたところ、天気の良い日は確かにここから琵琶湖が見えるそうです。
この日は天気自体は良かったですが、ずっと向こうまで見渡せるほど空気が澄んでいなかった様です。
ただ、琵琶湖が見えなくても、ここからの眺めは一見の価値があります。
望湖台から元の場所に戻り、再び広場内を散策してみます。
ここは、ロープウェイとリフトでお手軽に来る事もできるのですが、自力で登って来る登山客も結構いました。登山客にとっては上りのゴール地点でもあるため、広場の各所で登山客が達成感に満ちた表情で談笑したり、お弁当を広げたりする姿を見掛けました。
こういうのを見ていると、自分も久しぶりに登山をしたくなってきます。
さらに散策していると、山口誓子(たしか学生時代に教科書で習った様な気が)の句碑があったり、大きな岩があったりとなかなか変化に富んでいます。
観光リフト下り・ロープウェイ下り
一通り頂上の広場を散策し終えたので、帰りのリフトに乗ってロープウェイ駅まで戻る事にしました。
帰りも先客は数人だけだったので、すぐリフトに乗れました。
再び10分弱リフトに揺られてロープウェイ駅まで戻ってきました。
もう他に見たい所も無かったので、脇目も振らずにロープウェイ乗り場に向かいます。
ロープウェイ乗り場では、10人程度の乗車待ちの列が出来ていましたが、それほど待つこと無く乗り込む事ができました。下りのロープウェイは進行方向から見て後ろの方に陣取って景色を楽しむ事にします。
上りの時よりも天気が良くなっていたため、景色もより一層鮮やかに見えます。
珍しい形の岩が突き出た部分に差し掛かった時、何か違和感を感じました。
何だろうと目を凝らしてみると・・・
あっ、こんな所に人が。どうやらロッククライミングをしている人達の様です。私もたまに登山をしますが、さすがにこの岩場を登るのは怖くて無理です。
後で調べてみたところ、御在所岳はロッククライミングのメッカでもあるそうなので、これが日常風景なのかもしれません。
先ほどの怖い風景を過ぎ、再び壮大な山々の景色を眺めていると、だんだんと麓の湯の山温泉街が見えてきました。
温泉旅館と思しき建物の中には、今や廃業して廃墟になっているものも混ざっており、ここもバブル遺産の一つなのかもしれないと色々と思いを巡らしていると、程なくして湯の山温泉駅に到着しました。
ゴンドラを降り、途中モンベルショップやお土産店などに立ち寄りつつ、駐車場まで戻りました。
再びバイクに乗って湯の山温泉のロープウェイ乗り場を後にしますが、この時点で昼の1時を回っていました。
実はこの後、以前から行ってみたかったお店が四日市にあるので、そちらを目指す事にしました。
その時の様子はまた別の機会に書いてみようと思います。
まとめ
今回は、三重県にある御在所ロープウェイに乗って御在所岳の山頂を散策してきました。
山頂からは、鈴鹿山脈を構成する山々(鈴鹿セブンマウンテンと呼ばれているそうです)の圧巻の景色を見る事ができるので、お手軽に登山をした気分になれます。
御在所岳は、本格的な登山愛好家から、登山をするほど体力に自信は無いが手軽に山を楽しみたいという方まで対応した、懐の深い良スポットだと思いました。
今回は麓にある湯の山温泉に立ち寄りませんでしたが、次回はここの温泉宿での宿泊と合わせて訪れてみたいと思います。
住所 | 〒510-1233 三重県三重郡菰野町湯の山温泉 |
電話番号 | 059-392-2261 |
営業時間 | ■ロープウェイ 4/1~11/30 営業開始9:00、上り終了17:00、下り終了17:20 12/1~3/31 営業開始9:00、上り終了16:00、下り終了16:20 ■観光リフト 4/1~11/30 営業開始9:30、上り終了16: 40、下り終了17:00 12/1~3/31 営業開始9:30、上り終了15:40、下り終了16:00 ※レストラン・売店の営業時間は公式ホームページ参照 |
アクセス(公共交通機関) | 近鉄 湯の山温泉駅から三重交通バスで約10分 湯の山温泉・御在所ロープウェイ前バス停下車すぐ |
アクセス(自家用車) | 新名神高速道路 菰野IC(車で約10分) ※駐車場あり(有料) |
公式ホームページ | https://www.gozaisho.co.jp/ |
公式SNSアカウント | (twitter)https://twitter.com/GozaishoRopeway |
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