長い長い猛暑の日々もようやく出口が見え始めましたが、それでも関西はまだ最高気温が30℃前後を行ったり来たりしており、例年に比べたらまだ暑い日が続いています。
暑い日といえば、冷たい蕎麦やそうめんなど涼し気な食事に偏りがちですが、時々あえて汗をかいてでも無性にスパイシーなカレーを食べたくなる時があります。
9月最初の3連休に、珍しく大阪に行く用事があったのですが、串カツや、たこ焼き、お好み焼きを始めとする粉もんなどの大阪定番グルメには脇目も振らずにカレー店を目指していました。しかも1軒では飽き足らず、2軒もハシゴしてしまいました。
実は、大阪はカレーの激戦区で、昔ながらの老舗店や、個性的なスパイスカレー店などがひしめいています。
この時訪れたのは、難波にある2軒の人気老舗カレー店(インデアンカレー 南店、自由軒 難波本店)で、いずれも大阪の個性的なカレーを堪能できる良いお店でした。
今回は、そんな大阪のカレー店を食べ歩いた時の様子を書いてみようと思います。
インデアンカレー 南店
最初に訪れたのは、大阪メトロのなんば駅北側にあるインデアンカレー南店です。
インデアンカレーは大阪のカレーを代表する1947年創業の老舗チェーン店で、大阪を中心に10店舗ほどのお店があるそうです。
最初に甘みが来て後で辛さが追って来る独特の味わいが特徴のカレー(甘辛カレーと言われているらしい)の発祥店と言われており、前からちょっと気になっていました。
ちなみに、以前に「琵琶湖沿いの甘くて辛いカレーの店(バイク野郎マドラスカレー)」という記事で紹介した滋賀県のカレー店も、大阪の甘辛カレーの名店であるマドラスカレーをリスペクトして開店したお店だそうです。
実は名前に「インデアン」と付くカレーチェーン店はここ大阪以外にも、北海道帯広市、石川県金沢市にもあり、同じ系列とか暖簾分けしたお店なのかと思ったのですが、そういう事でもない様で、全く別のチェーン店らしいです。
今回訪れた南店は、そんな大阪インデアンカレーの第1号店で、なんば駅の14番出口を出ると3分程度で到着する場所にあります。
お店は商店街に溶けこむ小さなバーの様な外観で、油断すると気づかずに通り過ぎてしまいそうですが、歴とした1号店です。
この時は開店時刻とほぼ同時に到着したので、運よく並ばずにお店の中に入る事ができました。
お店の中に入ると、カウンター席のみのこじんまりとした店内で、10人ちょっと入ったら満席になりそうな広さです。
何となく昭和レトロな喫茶店の様な雰囲気で、お洒落で懐かしい感じのする店内です。
メニューは至ってシンプルで、「インデアンカレー」のみ。これを基本に、ルーやライス、ピクルスを増量したり、生玉子をトッピングする事もできます。
今回は、ノーマルのインデアンカレーの玉子入りを注文しました。
最初に、お冷とピクルスを盛ったお皿が出されます。このお店のピクルスはキャベツだそうで、それほど酸味がきつく無く、さっぱりして美味しいです。これはカレーを食べる合間に時々口に入れると良い仕事をしてくれそうです。
そして、出てくるまでワクワクする間もなくインデアンカレーが目の前に現れました。あっという間の提供スピードです。
シンプルですが、上品なお皿に盛られて何となく高級感を感じます。
まずは真ん中に乗っている玉子の黄身をつぶさず、そのまま食べてみます。
最初は甘めでコクのあるカレーかなと思っていると、徐々に辛さを感じてきます。大阪の甘辛カレー元祖と言われるだけあって、評判通りの味わいです。
今度は玉子の黄身をつぶして混ぜ合わせて食べてみると、少しマイルドになりこれまた美味しいです。
辛さが後から来ると言っても、私にとっては心地よい辛さなので、食欲が刺激されてスプーンを持つ手がどんどん加速します。
最初ににらんだ通り、カレーを食べる合間に時々ピクルスを食べると、その度に口の中がさわやかにリセットされ、甘辛の絶妙な味わいを飽きる事なく楽しむ事ができます。
カレーとピクルスのコンビネーションを楽しんでいるうちに、あっという間に食べ終えてしまいました。
提供スピードも速かったので、席に着いてから食べ終わるまで、まだ20分ぐらいしか経っていなかった様に感じましたが、存分に老舗カレーの味を堪能する事ができました。
住所 | 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波1-5-20 |
電話番号 | 06-6211-7630 |
営業時間 | 11:00~15:30、17:00~20:00(ラストオーダー19:45) 定休日:水曜日、12月31日~1月2日 |
最寄り駅 | 大阪メトロ 御堂筋線 なんば駅から徒歩約3分 近鉄電車 大阪難波駅から徒歩約3分 |
最寄りIC | 阪神高速道路1号環状線 湊町ICから車で約4分 |
駐車場 | 駐車場なし |
公式ホームページ | https://www.indiancurry.jp/ |
公式SNSアカウント | ― |
自由軒 難波本店
インデアンカレー南店を出てすぐに、今度は同じく難波にある老舗カレー店「自由軒 難波本店」へ向かいました。
こちらは、何と明治43年(西暦1910年)創業という、とんでもなく歴史のある老舗店で、大阪で初めてできた洋食店なのだそうです。洋食店なので、カレー専門店という訳ではないですが、このお店の「名物カレー」というカレーが看板メニューになっており、大阪のグルメガイドブックなどで頻繁に紹介されるほどの有名店です。
ちなみに、同じく店名に「自由軒」を冠した「せんば自由軒」というお店が、大阪市内や関東にありますが、こちらは全く別のお店だそうです。よくそちらと混同されるらしく、わざわざお店の公式ホームページに、せんば自由軒は別の店であるという説明まで書かれています。
どうも両者は複雑な関係や経緯があり、良好な関係ではなさそうな雰囲気です。よく、我々の方が元祖だとか、正当な流れを汲む店だとか主張し合う関係に見えなくもないです。
後で気になり、このせんば自由軒の事を調べてみると、拡大路線が祟り一度自己破産したそうですが、今では東京に本社のある会社が運営しているとの事です。
話を元に戻しますが、今回訪れた難波の自由軒の方は、なんば駅の南側にある難波センター街商店街にあります。
お店の前に到着すると、正午近くという事もあり、既に10人程の行列ができていました。さすがガイドブックに載るほどの有名店です。
お店の外観を眺めながら、行列の最後尾に並ぶことにします。
昭和なデザインの看板や、ショーケースにメニューの食品サンプルが沢山陳列されている点など、懐かしい要素が満載で、レトロ好きの私としては期待感が膨らみます。
意外に回転が速いのか、列がどんどんと進んでゆき、この時は15分程待った所で入る事ができました。
中に入ってみると、さらに懐かしさの波が押し寄せてきます。そこには洋食店というより、昔ながらの大衆食堂の様なレトロ空間が広がっていました。
案内された席に座り、この雰囲気にしばらく浸りながら、店内に貼りだされた豊富な洋食メニューを眺めていると、やはりここは洋食店なのだという事を思い出させてくれます。
卓上にも写真入りでメニューがあったので、一通り眺めてみます。
今回は、看板メニューの「名物カレー」を注文すると決めていましたが、他のメニューも美味しそうに見えてきて、ついつい目移りしてしまいます。
しかし、最終的に心を決め、初心貫徹で名物カレーを注文する事にしました。
その名物カレーも、おすすめの食べ方が案内されていたので、今回は初来店という事もあり、これに従って食べてみる事にします。
しばらく待っていると、お待ちかねの名物カレーが到着しました。
こちらは、最初からライスとルーが混ざった状態で提供されるのが特徴です。真ん中に乗った玉子も見た目の良いアクセントになっています。
まずは、先ほどのお店と同様、玉子を崩さずそのまま食べてみます。
一口食べてみると、少しピリッと辛さを感じるものの、玉ねぎの甘さも感じられ、そのままでも美味しいです。
先ほどの食べ方の案内に合った通り、今度はウスターソースを掛けてみます。
ウスターソースを掛けた段階で、ちょっと味見をしてみると、やはりカレーとソースの相性は間違いないと感じます。
さらに、玉子を崩して混ぜ合わせて食べてみると、全体的にマイルドさ増して、さらに食べやすくなります。
改めて店内を見回してみると、家族連れが多い事に気づきます。確かにこの食べやすい味は子供から大人まで楽しめそうな安心感のある美味しさだと思いました。
2軒目という事を忘れるぐらい、こちらのお店のカレーもペロッと完食してしまいました。
ここでも、お店の雰囲気と老舗の味を存分に堪能する事ができました。
もう1軒行けそうな気がしましたが、このところ体重がじわじわと増えているので、この辺にしておく事にします。
住所 | 〒542-0076 大阪市中央区難波3-1-34 |
電話番号 | 06-6631-5564 |
営業時間 | 11:00~20:00(ラストオーダー19:45) 定休日:月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日が休業日) |
最寄り駅 | 大阪メトロ 御堂筋線 なんば駅から徒歩約2分 近鉄電車 大阪難波駅から徒歩約2分 |
最寄りIC | 阪神高速道路1号環状線 湊町ICから車で約5分 |
駐車場 | 駐車場なし |
公式ホームページ | https://www.jiyuken.co.jp/ |
公式SNSアカウント | ― |
難波まち歩き
カレーを二食も食べたので、腹ごなしに少し難波の街を歩いてみる事にしました。久々の大都会だったので、多少人混みに疲れを感じますが、時々来る分には活気のあるお祭りに行く様な感覚でいいもんです。
難波には、豚まんや焼売などで有名な「551蓬莱」や、チーズケーキで有名な「りくろーおじさんの店」といった、大阪みやげの大定番のお店の本店があります。これらのお店はいつも行列ができており、大盛況です。
他にも大阪の名物ラーメンチェーン店である「金龍ラーメン」や、「どうとんぼり神座(かむくら)」などもあり、今大阪にいるんだなあという事を実感できる街です。
私の好きな千日前道具屋街商店街にも足を運びました。ここは、飲食店で使われる業務用の道具や食器などを専門に売るお店がずらっと並ぶ商店街で、一般のお客も商品を買う事ができます。
東京で言う所の浅草にある合羽橋道具街の様な場所で、難波に来るとだいたい立ち寄っている様な気がします。
この商店街を抜けると、吉本興業の劇場なんばグランド花月が見えてきました。お笑いライブを観に来た沢山のお客たちを横目に、そろそろなんば駅の方に戻る事にしました。
なんば駅近くにある大阪高島屋が見えてきたので、そろそろ街歩き終了です。短い時間でしたが、この日はまだまだ暑かったので、このまま大人しく帰宅する事にしました。
余談(北海道帯広 カレーショップ インデアン)
先ほど、「インデアン」と付くカレーチェーン店が、大阪以外にも北海道帯広市や石川県金沢市にもあると書きましたが、以前、帯広の方のお店(カレーショップ インデアン)に訪れた時の写真がたまたま残っていましたので、貼っておきます。
この帯広のインデアンと大阪のインデアンのマークが、両方ともターバンを巻いた男の横顔を模したものになっており、良く似ているので、最初はてっきり関係があると思っていたのですが、両者は全く関係ないらしいです。
だいぶ前の事なので、味の事はうろ覚えですが、今回訪れた大阪のインデアンカレーの様な甘辛なカレーではなく、これとは別物の、スパイスが効いた美味しいカレーという記憶があります。この時は何も付けませんでしたが、色々とトッピングを付ける事もでき、辛さも選べたと思います。
特に価格がリーズナブルで、地元のお客と思われるお客が多かった事が印象的でした。
まとめ
今回は、大阪難波にある老舗カレー店の「インデアンカレー 南店」と「自由軒 難波本店」で、それぞれの名物になっているカレーを堪能してきました。
両店とも、大阪を代表する老舗店なのですが、全く違う味わいとお店の雰囲気を感じる事ができ、大阪のカレー文化の奥深さと、カレー激戦区と言われる理由が少しわかる様な気がしました。
まだまだ他にも気になるカレー店が大阪にあるので、今後大阪を訪れる度に少しずつそれらのカレー店についても攻略してゆきたいと思います。
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