姫路・明石 日帰りの旅 1(姫路城 前編 通常公開エリア)

姫路城 旅・ツーリング
姫路城

今年の夏も青春18きっぷを無計画に購入し、利用期限間際になっても未使用の利用回数分をどうしようか悩んでいたところ、事前準備があまり必要ない日帰り旅をして手っ取り早く消化してしまおうという、やや強引な旅を敢行する事にしました。

日帰りの電車旅でなるべく遠くを目指すとなると、真っ先にJRの新快速電車が頭に浮かんできます。新快速は京阪神地区を走る快速電車の一種で、停車駅が少なく、普通料金で乗れるにもかかわらず特急並みの所要時間で主要駅を結ぶ、関西人にとってありがたい電車です。

私も仕事で滋賀の自宅から京都に行く時に利用するのですが、遠く離れた兵庫県の播州赤穂駅や姫路駅などが終点になっているのを良く見掛けます。

乗り換え無しでそこそこ遠くに行けるこれらの目的地が非常に魅力的に感じたので、今回は兵庫方面を目指す事にしました。

今回の旅は姫路と明石を日帰りで巡る事になりましたが、内容が少し濃かったので、数回に分けて記事にする予定です。

まずは、姫路駅に降り立ち、姫路城を観覧した様子から書いてみようと思います。

姫路城駅~姫路城前・朝食(はまもとコーヒー)

自宅の最寄り駅から、早朝6時台の姫路行きの新快速電車に乗り、2時間以上掛かって姫路駅に到着しました。

ずいぶん遠い所だと思っていた姫路ですが、乗り換え無しの2時間程度で到着してしまうというのは、やはり新快速のすごい所です。しかも特急料金が掛かりません。

朝早い時間帯という事もあり、電車はそれほど混雑しておらず、移動中もそれほど苦痛ではありませんでした。

改札口を出て北口の方から駅を出ると、姫路城の方まで続く広い通りに出ます。ずっと先の方に目を凝らすと、この時点で姫路城が小さく見えてます。結構距離がありそうですが、今回は歩いて行くことにしました。

ただ、この通りを真っすぐ歩くのも面白くないと思い、右側に並行して伸びている「みゆき通り」というアーケード商店街を通って姫路城を目指す事にしました。

姫路駅周辺・みゆき通り

まだほとんどのお店が閉まっていたのですが、朝から営業しているお店も僅かながらありました。

中でも、雰囲気の良さそうな「はまもとコーヒー」という喫茶店が気になって近づいてみると、店頭の「姫路名物アーモンドトースト」という表記につられ、朝食がてらお店の中にふらっと入ってしまいました。

そのアーモンドトーストは、食パンにアーモンドバターを塗り、さらにアーモンドチップをまぶしてトーストされたものでしたが、アーモンドの香ばしい風味が絶妙で、コーヒーとも良く合います。

後で調べたところ、アーモンドトーストが姫路名物というのは本当らしく、通常はアーモンドバターを塗ってトーストされたシンプルなものの様ですが、このお店独自のスタイルとしてアーモンドチップがまぶされていた様です。

個人的には、はまもとコーヒースタイルの方が見た目も映えて好きです。

はまもとコーヒー

軽く腹ごしらえが出来たところで、再び姫路城を目指してます。

途中から「本町商店街」という通りに切り替わり、しばらく進むとアーケードのある通りが終わって広場の様な所に出ました。今日は何やらここでイベントがあるらしく、準備作業中の屋台などが立ち並んでいました。

広場を横切り、正面に見える姫路城の方へどんどん歩いてゆくと、ようやく道路を挟んでお堀が見える所まで来ました。

本町商店街・姫路城付近

道路を渡ってお堀の前まで来ると、姫路城の天守がしっかり見える様になります。それにしても本当に美しい天守です。街のシンボルでもあり、姫路市民の誇りにもなっているというのも十分頷けます。

国宝でもあり、世界遺産にも登録されている姫路城ですが、何でも今年の12月に世界遺産登録30周年を迎えるそうです。それを記念して、現在夏の特別公開が行われており、普段未公開のエリアに入る事ができるそうです。

たまたま良いタイミングに訪れる事ができてラッキーでした。特別公開は今度の日曜(2023年9月24日)までと、あと少しなので、興味を持たれた方は是非この機会を逃さず訪れてみてください。

では早速、お堀に掛かる桜門橋を渡って城内に入ってみる事にします。

姫路城 桜門橋

入城

桜門橋を渡ると、お城の入口である大手門があります。この門をくぐってしばらく進むと、三の丸広場に出ました。

姫路城 大手門付近

先ほどよりもっとしっかり天守を眺める事ができ、天守だけではなく、その下に広がる城壁や石垣までもが美しく見えます。

まだ入城して序盤に過ぎないのですが、この広場に立ち尽くしてしばらく見入ってしまいました。

姫路城 三の丸付近

更に奥に進んで行くと、今まで大天守の陰に隠れて見えなかった小天守が姿を現し、先ほどとはまた違った姿を見せてくれます。

しばらく歩くと、有料観覧エリアの入口まで来ました。

受付窓口にはちょっとした行列ができていましたが、それほど長く待たされる事なく入城チケットを購入して中に入る事ができました。

姫路城 有料観覧エリア入口付近

有料観覧エリア

有料観覧エリアに入ってしばらく進むと、大きな「菱の門」が見えてきます。ここをくぐると、池の様に広がる三国堀が現れ、その堀超しに再び天守を見る事ができます。

先ほど、大天守の裏にあった小天守が現れた時は二連の天守かと思ったのですが、ここに来て実は三連の天守だったという事がわかりました。

姫路城有料観覧エリア入口・菱の門・三国堀付近

明治時代の頃の姫路城全景を描いた案内板がありました。これを見ると、この城の広大さが良くわかります。

日本各地に天守を持つお城は数多く存在しますが、江戸時代やそれ以前に建設されて現在まで残る現存天守のある城は12の城しかなく、さらにその中でも、ほぼ創建当時のまま維持されているのは、この姫路城と滋賀県の彦根城しかないそうです。

そんな天下一の名城をこれからじっくり見る事ができると思うと、わくわくしてきます。

ちなみに、彦根城の方も素晴らしく、過去の記事「桜満開の彦根城とひこにゃん」でも書いていますので、興味のある方は読んでみてください。

姫路城鳥瞰図(明治初期)

三国堀を横目に通り過ぎると、立派な石垣と城壁に囲まれて入り組んだエリアが続き、途中途中に門が設置され、敵の侵入を防ぐ構造が伺えます。

いの門・ろの門

例えば、「にの門」については、屈まないと門を通れないほど天井が低くなっており、槍などの長さのある武器を持って通るのを困難にしています。

そんな所1つ取っても、姫路城の難攻不落っぷりが伺えます。

はの門・にの門

いくつかの門を抜けると、間近に天守を望める場所まで来ました。

ここまで来れば、天守の入口もすぐそこかと思いきや、まだまだ入り組んだ通路と門の守りが続きます。

この城を攻める側は、この時点で相当の兵力が削られていると思いますが、ここから更に追い打ちをかける様に守りの固さを見せつけられたら、もう攻める気も失せてしまうのではないかと思います。

ほの門前からの眺め

攻める側にとっては苦痛でしかない道のりですが、私の様な単なる城好きにとっては、美しい城壁と石垣に囲まれ、幸せな気分にさせてくれます。

ほの門・水の二門
水の三門

大天守内部

ようやく天守の入口までたどり着きました。大軍勢で押し寄せても、ここにたどり着く頃にはわずかな兵力になってしまうのではないかと感じます。

中に入ると靴脱ぎ場があるので、ここで自分の靴を袋に入れ、それを持ち歩きながら天守内部を観覧する事になります。

水の五門(天守への入口の門)

天守内部は当時のままの姿がしっかり残されており、当時の城内の様子に思いを馳せる事ができます。エレベーターやエスカレーターが設置された鉄筋コンクリートの天守では得難い雰囲気です。

今いる大天守は地上6階、地下1階の建物になっており、階段を使って1階から順次登っていく順路になります。

大天守内部一階

1階と2階は似た間取りになっており、意外と仕切りが少なく大広間の様になっているため、広く感じます。

先ほどまで城の美しい外観に見とれて忘れかけていましたが、鉄砲や槍を掛けておく武具掛けがあるので、ここが歴とした軍事拠点である事を思い出させてくれます。

大天守一階
大天守二階

3階はこれまでと少し異なる構造になっており、天井が高くなっているのが特徴的です。

このフロアには四隅に設置された武者隠しという小部屋をはじめ、いくつか防衛上の仕掛けが施されています。ちなみに武者隠しは、ここに兵士を潜ませ、このフロアまで攻め入った敵を迎え撃ったり、天守の外の敵に向けて鉄砲を放ったりという事ができるそうです。

大天守三階

4階は窓が高い所にあり、所々その高い窓の所まで上がる階段が設置されています。

ここに登って天守の外にいる敵に対し、窓から鉄砲を放つ様な使われ方を想定している様です。

大天守四階

5階は特に大きな見所がありませんが、天守を支える2本の大柱を見る事ができます。

また、天守は外から見ると5層に見えますが、実際に攻め入ってみると6フロアあるという事で、この5階が隠し階の様な位置づけになっている様です。

大天守五階

最上階の6階はこじんまりとしており、光が良く差し込む明るいフロアになっています。

このフロアには、長壁神社(おさかべじんじゃ)があります。この神社は姫路城が建つ前からこの姫山の地にあった神を祀ったものらしいのですが、姫路城の天守で祀られる様になった経緯は諸説ある様です。

大天守六階

最上階からの眺めは素晴らしく、姫路の街を見渡す事ができます。城下の街並みを眺めていると、城主になった様な気分が味わえます。

大天守六階からの眺め
大天守六階からの眺め

最上階からの眺めを堪能した後、地上に戻るため、ひたすら階段を下ります。

下り階段

1階まで戻ると、出口に続く扉の前まで来ました。

この扉をくぐると、そのまま天守の外に出る事もできますが、別途入場料を払って、今だけ公開されている特別公開エリアに入る事もできます。

せっかくの機会なので、迷う事なく特別公開エリアに突入することにしました。

特別公開エリア入口付近

姫路城 後編(特別公開エリア)の予告

この先も少し長くなりますので、一旦ここで区切り、特別公開エリアの様子は次回の記事「姫路・明石 日帰りの旅 2(姫路城 後編 特別公開エリア)」に続きます。

特別公開エリアは、普段公開されない2つの小天守(乾小天守、東小天守)などになりますが、特に小天守側から大天守を間近に望む景色は今しか見る事のできない貴重なものでした。

住所姫路城管理事務所:
〒670-0012 姫路市本町68番地 姫路城三の丸広場北側
電話番号姫路城管理事務所:079-285-1146
営業時間開場時間 9:00~17:00(入城は16:00まで)
休城日:12月29日・30日
最寄り駅JR姫路駅から徒歩約20分
または、JR姫路駅北口から神姫バス乗車 大手門バス停下車 徒歩約5分
最寄りIC山陽自動車道 山陽姫路東IC(車で約15分)
※周辺に有料駐車場あり
駐車場周辺の公営駐車場例
大手前公園地下駐車場(二輪駐車可)
大手門駐車場(二輪駐車不可)
など
公式ホームページ姫路市公式
https://www.city.himeji.lg.jp/castle/
姫路城便覧(姫路城管理事務所)
https://www.himejicastle.jp/
公式SNSアカウント姫路城運営事務所公式
(X:旧Twitter) https://twitter.com/himejijo_ops_o
(Instagram) https://www.instagram.com/himejicastle_operations_office/
姫路城(2023年9月時点)
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