スポーツ競技やコンテストなどの聖地とされている場所が全国各地にあります。有名所では高校野球の聖地「甲子園球場」や、格闘技の聖地「後楽園ホール」などがありますが、滋賀県にも競技かるたの聖地と呼ばれる場所があります。
それは、大津市にある「近江神宮」という神社で、この境内にある近江勧学館という研修施設では毎年1月には競技かるたの最高峰を決定する名人戦・クイーン戦、7月には全国高等学校選手権大会などが開催され、熱い戦いが繰り広げられます。
競技かるたというものがあるというのは昔から何となく知っていましたが、ごくマイナーな競技というイメージでした。それを一躍メジャーにしたのが末次由紀さん作の漫画で映画化もされた「ちはやふる」ではないでしょうか。
近江勧学館には、ちはやふる関連の展示品などもあり、この作品のちょっとした聖地巡礼の様な気分にもなれます。
そんなかるたの聖地を、桜も散った4月中旬に訪問しているので、その時の様子を書いてみようと思います。
近江神宮前駅~近江神宮
今回はこの後京都で用事があるので、その前に電車で近江神宮をふらっと訪問する事にしました。
JR琵琶湖線(東海道本線)の石山駅で京阪石山坂本線に乗り換え、近江神宮最寄りの近江神宮前駅に降り立ちます。
この駅止まりの電車も結構あり、車両工場を備えた車庫も併設されていました。
駅を出てしばらく歩くと小さな川が現れました。橋を渡ってその先に行くと近江神宮に至る様です。
森林浴の様な気分に浸りながら木々に囲まれた道を更に進みます。
すると、駐車場が見えてきました。どうやら無料の様ですが、後で調べてみると初詣で参拝客がピークになる年末年始は有料になる様です。バイクも停められそうなので、ツーリングで訪れる事もできそうです。
更に進むと、奥の方に石段とその先にある朱塗りの大きな門が見えてきました。
近江神宮 参拝
石段は結構な段数がありますが、上るのに苦痛を感じる程ではありませんでした。
石段を登りきると、朱塗りの門に新緑の青もみじが掛かる景色にしばらく見入ってしまいました。
この門は楼門というそうで、近江神宮のシンボル的な存在になっています。
門の中に入ると広場になっており、隅の方にある休憩所には、かるたに縁のある地らしく小倉百人一首のかるたパネルが設置されていました。
礼拝するため、外拝殿に向かいます。
この神社は天智天皇が祀られています。
天智天皇といえば、大化の改新を主導して天皇による中央集権国家を樹立した事でも知られており、間違いなく日本の歴史を変えた人物の一人です。
そんな天智天皇が大化の改新の理想に基づく政治改革を行うため、飛鳥から遷都したのがこの近江神宮のある大津宮(大津京)の地になります。
遥か昔の飛鳥時代の出来事に思いを馳せながら、拝礼を済ませてしばらく外拝殿をウロウロとしてみます。
外拝殿からは内拝殿が見えますが、一般の参拝者は内拝殿まで行くことができず、ここ外拝殿からの参拝になります。
一通りウロウロとした後、「参拝順路」と書いてある所があったので、そちらに進んでみます。
途中、栖松遙拝殿(せいしょうようはいでん)の前を通り過ぎ、神楽殿まで来ました。
この神楽殿は、かるた祭・かるた開きの儀が行われる場所との事で、ここでもかるたゆかりの地という事が伺えます。
さらに進むと社務所が見えてきました。
ここには天智天皇の歌碑があり、小倉百人一首の1番目の歌「秋の田の刈穂の庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」が刻まれていました。
近江勧学館
さらに進むと、競技かるたの全国大会なども行われる「近江勧学館」が現れました。
この施設は近江神宮の関連団体が運営する研修センターで、宿泊もできる様です。
中に入ると、かるたに関するグッズの展示品や販売品が目に飛び込んできます。
さらに奥に進むと、ロビーの様な所があり、ちはやふるの登場人物のパネルが設置されていました。
ここまでちはやふるの作品とのコラボが行われているとは思いませんでした。やはり、競技かるたをメジャーな存在に押し上げた功績が大きいからかもしれません。
競技かるたの選手になり切って撮影できる場所があったりと、かるたの魅力を感じる事ができる展示物が色々とあります。
別の一画には、ちはやふるのキャラクターパネルと一緒に記念撮影できる所がありました。
主人公の綾瀬千早(右)とそのライバル若宮詩暢(左)のパネルが両脇を固めてくれています。
映画版ちはやふるの出演者達のサイン色紙や、原作者の末次由紀さんから近江勧学館のために書き下ろして寄贈された原画なども展示されており、作品のファンにとってはまさに聖地ではないでしょうか。
近江勧学館を出て付近を散策してみると、青もみじの若葉が輝く瑞々しい景色が続き、時々立ち止まってはじっくりと眺めてしまいます。秋にはこれらが色づき、素晴らしい紅葉の景色を見せてくれそうです。
近江神宮の神聖な雰囲気と競技かるたの世界にどっぷり浸る事ができ、次の予定があるのでそろそろ近江神宮を後にする事にしました。
お土産(近江百人一首さぶれ)
実は今回、近江勧学館で「近江百人一首さぶれ」というお菓子をお土産に購入しました。
10枚入りのサブレが入っており、小倉百人一首の中から大津にゆかりのある十首がそれぞれにプリントされているため、何だか食べるのがもったいなくなります。
その十首の中にはもちろん天智天皇の歌も含まれており、在原業平の「ちはやぶる神代も聞かず龍田川 から紅に水くくるとは」という歌もあります。
サブレ自体も美味しく、かるたゆかりの神社らしさが出ているので、近江神宮のお土産としてはお勧めだと思います。
まとめ
今回は競技かるたの聖地でもある近江神宮を訪れました。
特に、全国大会が行われ聖地と言われる所以にもなっている近江勧学館は、競技かるたを扱った作品「ちはやふる」とのコラボもあり、競技かるたに打ち込んでいる方や、同作品のファンにとっては是非一度訪れてほしい場所だと思いました。
神社自体も随所にかるたとのつながりを見る事ができ、かるたがすっかり神社のアイデンティティになっています。
また、飛鳥時代あたりの歴史好きの方にとっても、天智天皇が改革を推し進めようと、熱い思いでこの地に遷都した事に思いを巡らせながら歩くのもなかなか良いと思います。
次回は紅葉の時期か、競技かるたの全国大会の行われる時期に訪れてみたいです。
住所 | 〒520-0015 滋賀県大津市神宮町1番1号 |
電話番号 | 077-522-3725 |
営業時間 | 参拝時間:6:00~18:00 ※祈祷・お札・お守りなどの取扱い時間は公式ホームページ参照 |
最寄り駅 | 京阪石山坂本線 近江神宮前駅(徒歩約10分) または JR湖西線 大津京駅(徒歩約20分またはタクシーで約3分) |
最寄りIC | 名神高速道路 京都東IC(車で約10分) ※参拝者用無料駐車場あり(年末年始は有料) |
公式ホームページ | https://oumijingu.org/ |
公式SNSアカウント | (Facebook)https://www.facebook.com/oumijingu |
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